2014年08月13日

リケジョレポート第六弾 森田 慧さん(その2)

前回に引き続き、戸田建設の森田 慧さんです。
本日は、今後のキャリアビジョンについてお聞きします。

■建設業で女性が長く働き続けるために必要なことは何でしょうか?
「辞めない」と心を決めること
 ・ジョブローテーションしながら、自分の活躍できる場を見つけること

 以上の2つだと思います。設計の仕事自体は、例えば、子どもを産んでも育休制度・時短制度を利用しながら続けていけると思いますが、時間の制限がある中で最大限の成果を出すために、今よりもうまく時間を使う方法を自分で見つけなければならないと感じています。

■周囲の社員の反応は、時短他制約社員に対していかがでしょうか?
ルーティンワークが多く、スケジュールが管理しやすい職種であれば、時短制度をうまく使いこなすことができているように感じます。一方で、お客様のご依頼や、現場の進捗状況によって、急な対応が求められる職種では、対応が遅れる等の問題も見受けられます。時短利用の社員や残業ができない社員も活き活きと働ける環境にするためには、事前に連絡手段やチーム体制について話し合う必要があると感じています。このような問題は担当者間のフォローだけでは難しいこともあるため、会社全体の問題と捉え、話し合える場を創って解決していく必要があると思います。

■森田さんご自身の今後のキャリアビジョンをお聞かせください。
今は仕事がとても楽しく、好きなだけ時間をかけて仕事をしているのですが、今後は自身のライフプランについて、ちゃんと考えていきたいです。結婚・出産などの様々なライフイベントがあったとしても、大好きな設計の仕事に携わっていきたいことには変わりはありません。 身近に出産後に復職した先輩が何名もいらっしゃいますし、最近は他社との交流も増え、同年代の他社の女性からも話を聴く機会に恵まれているため、自分が新たなライフイベントを迎えたとしても「何とかなるかな〜」と考えるようになってきました。

■どのような話で「何とかなるかも」と思えるようになってきたのでしょうか?
他社との交流をする中で、とある女性所長(他社)の話が印象的でした。お子さんのいる、その女性所長は、自分がいつ休むか分からないため、緊急時にも仕事の指示ができるように、常に身の回りを整理し、他の人に仕事を引き継げる状態にしておく、とおっしゃっていました。自分も常に仕事を「見える状態」にしておく必要があると感じ、勉強になりました。今後も、社内・社外に関わらず、先輩のお話やアドバイスに耳を傾けていきたいと思っています。
また、仕事としては、「これは私が創った!」といえる、“こだわりのある建物づくり”に携わりたいと思っています。また設計統括部の思想である「一芸に秀でたオールラウンダーになる」を体現するべく、いろんな用途の建物に携わり、戸田建設で働く醍醐味をもっと味わっていきたいと思っています。

■自分自身がより加速して成長していくために何が必要だと思いますか?
「常に新しいことに挑戦すること」だと思っています。より良いもの、新しい工夫を追い求め、挑戦することが、成長のためには必要だと感じています。

■今後こんな働き方をしていきたいな、というイメージはありますか?
今はガムシャラに仕事に邁進していますが、今後は公私のバランスを取りながら、どちらも充実するような仕事の仕方をしていきたいです。
そのためには、当たり前のことですが、仕事もプライベートも自分の目の前のことをしっかりやること、そして新しいことを年に1つ取り入れること、以上の2点を大切にしています

■2014年に取り入れた“新しいこと”をお聞かせください。
ヨガを始めました。身体も心もリセットできて良いですよ

■建設業でこれから働く女性、後輩たちへのメッセージをお願いいたします。
自分自身、女性の携わった「作品」を見ると大変刺激を受けます。こんな風に他社でも女性の活躍が目に見える形になっていくということに喜びと刺激を感じます。自分も良い作品を創りたいし、同じ業界で働くほかの女性の方々も、どんどん良い作品を発表されることで、建設業界全体に女性活躍の良い風を感じていただけるのかと思います。

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森田さんはインタビューの間、終始笑顔で答えてくださり、
とても、今の仕事が大好きなんだなあ。“当たり前に”一生の仕事と思って
新しい挑戦にも楽しみながらチャレンジしているのだなということをヒシヒシと感じました。
いつか森田さんが中心となって創った“こだわりのある作品”を観たいです。
ありがとうございました

posted by Yukiko at 14:42| ★リケジョ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月07日

リケジョレポート第六弾 森田 慧さん(その1)

さてさて、暑い日が続きますが、Blogでも熱いレポートをお届けいたします
ドボジョインタビュー、今回ご紹介するのは

戸田建設株式会社
建築設計統轄部 計画設計部
森田 慧(もりた けい)さん   

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■まず、建設業の道を志した経緯を教えてください。
小学1年生の時、自宅を建築した時に他の住宅やモデルルームを見に行って、建物に興味を持つようになりました。小学校の卒業アルバムにも「建物を建設する人になりたい」
と書いていたんです。

■小さなころの夢を実現されたのですね。
言われてみればそうですね。今も、新しい家を見ることやチラシの平面図を見ながら考えを巡らせることが好きです。

■だから、大学では建築を学ぶ道に進まれたのですね。学んだ環境はやはり男性が多いのですか?
私が進んだ建築コースは全部で約40名、女性の比率は半分でしたので、特にこの業界が男性社会と感じたことはありませんでした。学生時代の友人も社会に出るときは同じような業種に進み、今も同じ業界に携わっており、一生懸命仕事に励んでいる良い仲間です。

■就職するときに戸田建設を選んだ理由をお聞かせください。
大学に入って設計を勉強するようになって、建物を建てる前の過程よりも、建てていくプロセスに興味が沸きました。建物が建つことに関わる空間にいたい=現場を見たいと思いました。

■なるほど、個人の住宅というよりも、大学で学ぶうちにより大きな建造物に興味が出たのですね?
はい。入学当初は住宅にも興味があったのですが、授業でスポーツ施設や市場など、大きな空間、たくさん人が集えるものに興味の対象が広がりました。そうしたことから、就職活動はゼネコンを中心に始めました。その結果、たくさんの人が関わるような場所を作ることに携わることができ、建設の現場を見られる戸田建設への就職を決めました。

■戸田建設に就職してからは、学生の頃男女比50:50の環境から、男性が多い環境になったことについて、どのように感じましたか?
戸田建設に入社した当時、新入社員は160名。そのうち女性は10名程度でした。最初に配属されたのは工事現場で、そこでお世話になった周りの皆さんは「どこかの現場で一人くらいは女性を見たことがあるよ」という方々ばかりで、女性は現場で珍しがられましたので、「ああ、珍しいんだな」と思いました。

■今のお仕事とやりがいをお聞かせください
現在は計画設計部で主に、オフィスビルの設計を担当しています。最近は、耐震改修を中心に改修工事のご依頼を担当することも多くなっています。改修工事は、仕上げ材を剥がしてみたら設計図面と違ったなど、思いがけない不測の事態が多くあり、その都度 担当者や職人さんの意見を聴きながら対応策を考えて進めていきます。
そんな不測の事態への対応をしているうちに、知識の引き出しが増え、次の物件で活かすことができるようになることに、やりがいを感じています。様々な現場で、いろんな人と関わり、状況に応じた対応をすることで、少しずつでも自分の成長を実感することができると思っています。

■今のお仕事で森田さん自身が活かせていると思う、女性ならではの特性はありますか?
女性の社会進出に伴い、建物を使う女性が増えているため建物の設計に「女性の意見を聴かせてほしい」ということがあります。女性用トイレの提案依頼や、女性の視点に立った意見やアイデアを取り入れたいというお客様のニーズも増えおり、特性を活かせる機会が増えたと感じています。
女性だから、ということで、一緒に仕事をする社外の関係者からは、珍しがられることもありますが、きちんと仕事をしていれば、チームの一員として認めてもらえる確かな実感があります。

■戸田建設における女性の働き方についてはどのように思われていますか?
寮の場所や勤務形態など、女性に対する配慮を感じます。ただ、働きやすさの実態は、マネジメントする男性の考え方によるところも大きいかなと感じます
全体としては減っているとは思いますが、女性社員がいることで、今までとは違うコミュニケーションになることを面倒に感じている男性社員もいることを小耳にはさみます。同時に女性自身も「私の仕事はここまで」と、自分で仕事の幅を狭めている可能性があることも感じています。


■森田さんの上司の方のように「女性のマネジメントが上手だな」と思われる上司とはどんな人だと思いますか?

男女関わらず、「若手にやらせてみよう」と仕事を任せてくれる人です。もちろん任せっぱなしではなく、必要なところでフォローをちゃんとしてくれる、また「ここはいてほしいな」という場面でお願いができる方は頼りになる、素敵な上司だと思います。私は幸い、これまでの6年間でお世話になった上司、プロジェクトのマネージャーにはとても恵まれていました。

■具体的にはどんなところが素晴らしいと思いますか?
上司とは決まった会議体だけで話をするだけではなく、1対1の会話が多いです。おかげでとても仕事がしやすいです。このコミュニケーションによって「上司がいつもちゃんと仕事を見てくれている」、「何かあればいつでも相談に乗ってもらえる」という安心感があり、仕事に集中することができます。これは、私が女性だからといって過度なケアをされているということはなく、男性社員にも同じようなコミュニケーションで雰囲気が良いチームになっています。

■会社全体を見て、女性がもっと働きやすくなるために必要だと思うことはありますか?
総合職で女性の採用が始まったのはここ10年くらいです。総合職で女性が働き続けている事例がまだ少ないので、「こんな働き方もあるのだな」という多様な事例がもっと生まれると嬉しいです。たとえば、女性の先輩でご家族の転勤により止む無く退職された事例がありました。それを考えると、例えばご主人の転勤先に支店があれば、そこへ異動する、または戻ってきた時に再雇用できる制度があればいいなあと思います。

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小さいころからの夢を実現している森田さん。
次回は今後のキャリア&ライフビジョンについても伺います!
お楽しみに・・・
posted by Yukiko at 15:23| ★リケジョ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月17日

リケジョレポート第五弾 堀川真加さん(その2)

前回に引き続き、前田建設工業の堀川真加さんです
本日は両立で大切にしていること、今後のキャリアビジョンについてお聞きします。
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■お仕事をされていて、結婚・出産のライフイベントの経験が生かされている瞬間はありますか?
怒る沸点が変わり、イライラしなくなりました(笑)。
何かできなくても、「次頑張ればいいじゃん」と、思えるようになり、心が大人になったと感じます。

子どもを産む前は、入社したころから「同期の男性には負けませんよ」という気持ちが大きいところもあったのですが、今は目先の勝ち負けではなく、別の視点で考えられるようになりました。

■別の視点とは、どのような視点ですか?
例えば、出産・育児で2年間 仕事を離れたわけですが、仕事を離れている事実は変えられないので、同期と云々というよりも、自分は2学年下の後輩と同じだと考えることで、気が楽になったのです。

■周囲の人の評価も変わりましたよね?
現場時代は尖っていたので、そんな私と関わっていた人たちからは、「まだ、猫かぶっているだろう」と思われているのでは(笑)。

■堀川さん自身、女性が長く働く秘訣はどんなことだと思いますか?
周囲にいる働く女性を見ていて思うのは、個々人が努力している、ということです。「自ら目標を決めて、着実に実行していく姿勢」が大切だと思います。

■姿勢とは、具体的にどんなものでしょう?
会社の制度や運用は改訂を重ね、年々、子育てしながらも働きやすい環境になっていることは間違いないです。だからこそ、制度を活用する女性たちは、そこに甘んじてはいけないと思うし、「制約がある中でも、頑張ります」という姿勢をいかに見せ、もちろん「成果」を出していくことが大切だと思います。

■どうしたら、そのような成果を出せる人になれると思いますか?
私の場合は、それができる原動力として、純粋に「仕事が楽しい」のだと思います。たまに「子供がいなかったら何時まででも仕事がしたい」と思う時もあるくらいです(笑)。

現在は、仕事・家事・育児がどれだけできているか点数で表すと、
・仕事:50〜60%
・家:50%
・子育て:50%
仕事、家事、育児、それぞれ専業の方に比べると、どうしても物足りなくなります。
しかし、「50+50+50で全体は100超えているからいいじゃん」と自分で割り切ることができるようになり、気が楽になりました。

■よく私も研修で子供が小さいうちは、一つ一つに100点、ではなくトータルで100点でいいじゃない?と自分を赦しましょうと伝えています。堀川さんはどのようにしてそのような考え方にシフトできましたか?

その割り切りができるようになったのは、働く母親としての経験値が積みあがって5年が経ってからです。ここまでくるのは簡単ではなかったですが、だからこそ後輩たちにも、その考え方を継承できる喜びがあります。

■ご自身が、今後、より一層活躍していくために大切なことはどんなことですか?
現在の仕事を通じて、普通の職員では携われないことをしている実感があります。別業界と仕事をすることで知識や視野が広がったり、今までの現場の仕事とは異なるスキルを身に付けることができ、バランスよく融通の効く人間になれたと感じています。広く知識やスキルを身に付けることが、自分自身の生きる術だと思うし、存在価値につながっていると思います

■今後のキャリアビジョン、積みたい経験をお聞かせください。
まずは今の仕事を一生懸命やりたいです。今やっている仕事に一生懸命向き合うことで、自然と次が見えてくると思うので・・・。子供2人も成人まで育て上げ、定年まで働くことが今の目標です。

■ご主人ともそのような今後のキャリアの話はされますか?
話はしますね!主人は「人生は楽しく」という考えなので、私が転勤になったら、「一緒に行く!」というタイプです。もし何かあり、どちらかが家庭に軸足を置く必要が出た場合、主人が辞める可能性もあると感じています。
主人は仕事の特性上、「働く現場はどこにでもある」と考えているのがその理由です。私の都合に柔軟に対応してくれるので、とても感謝しています。

■自分たちはどんな夫婦だと思いますか?
私はどちらかというと、目の前の仕事に対してストイックに考えがちな方なので、真逆な考えを持ち、広い捉え方を持つ主人と結婚したのは、とても自然なことだったんです。子どもたちからは「厳しいお母さん、楽しいお父さん」と見えていると思います。

■なぜご主人はフラットで柔軟な考え方を持っていると思いますか?
心が少年なんだと思います(笑)。
仕事にそれほど執着しておらず、「仕事は生きていくためにお金を稼ぐ手段」と良い意味で割り切っているからだと思います。

■ご自身が子供を産むタイミングについてはどう考えていましたか?
その人が、欲しいと思うタイミングがベストなんだと思います。よく「迷惑をかけない時期に」という考えを耳にもしますが、迷惑をかけない時期、というのは来ないのが現実です。
自分にまつわることは自分で采配できないことも多いので、産める時に産むのががよいと思います。

■育児をしながらうまく仕事をするために、意識して実践されていることはありますか?
最低限を効率良くやることです
 絶対やらきゃいけないことはちゃんとやる。そのためにも、優先順位がつけられることは大切で、子供の頃から、時間を有効に使ったり、物事をする順番を考えたり、タイムマネジメントするのが好きだったので、楽しいです

■そんな堀川さんをつくったご家庭は、どのような環境だったのでしょうか?
母は専業主婦、兄は比較的のんびり、ゆっくりな性格です。怒られている兄を見て、学んだのかもしれないですね〜。子供の頃は「なんでお兄ちゃんはこんなにのんびりしているのか?」と不思議に感じていました(笑)。

■ほかにも育児と仕事の両立で大切にしていることはありますか?
情報の共有です。自分の仕事は、誰かに引き継ぐ必要ができたときに、いつ誰が見ても、どうしたらいいかが分かるようにしています。
それは、家庭の中でも同じで、子供の保育園も持ち物であったり、今日やるべきことであったり、家族で共有できるように紙に書いて貼る、つまり「見える化」しています。今、4歳、2歳の娘たちも保育園から帰ると自分で着替え、洗濯の仕分けをするようになりました。
子供たちのためにも、自分のためにも、「自分のことは自分でやる」を教えています

■4歳と2歳ですごいですね!!自立型人材の育成にコツはありますか?
運営を決めて、組織を動かす、という意味では、会社の仕事も、家庭のことも、うまくまわすコツは「見える化」で共通していると感じます。
「自分のことは自分でやる」子供に育てるために、忙しい時でも、効率重視で家事を全て一人でこなさず、手際が悪くも料理を手伝ってくれようとする娘たちを尊重する努力をしています。正直 イライラすることもありますが、10年先を考えると、目先のラクよりも、今の我慢を取るようにしています。10年後には、仕事から帰宅すると、娘たちが夕飯を作って待ってくれているのが理想なので、それに向かってがんばってます(笑)。

■普通であれば、「目先のラク」を優先してしまいますが、どうして堀川さんは先を考えて、イライラを抑えられる力があるのでしょうか?
昔、家庭教師をしていて、かみ砕いて教えること、そして相手がそれを吸収するのを見ることの楽しさを感じました
社会人になって土木の現場にいるときも、後輩の男性を育てて教えること、そしてその後輩が一人前になる姿を見るのがとても楽しかったのです。
なので、根本的に人に対して教えること、成長を見守ることが好きなのだと思います。

自分が新人時代に指導を受けているときも、人による教え方の違いには興味があったし、
背景や根本を教えてくれる人はありがたいな、と感じていていつかはそれをできる人になりたいと思っていました。
女性の方が、整理して教えるということが得意かもしれないと感じます。

■建設業界で働く後輩女性へのメッセージをお聞かせください
>視野を広く持ってほしいです。
時には、目の前の仕事が合わないと思ったり、ライフイベントにより継続することが難しくなったりするタイミングもあると思います。しかし、いろんなタイプの業務内容、体制があるので、その中で広く見て自分に合うものを選択する努力をしてほしいです。そうすることで、道はきっと拓けていくと思います

■視野を広くするためにどうすればよいと思いますか?
若いうちに異動を経験することではないでしょうか。「この職場、この環境で成果が出ない、ダメだから、もう私はダメだ」とならないようにいろんな部署・環境に異動する努力(希望を出す)をする。これによって、いろんな仕事の可能性も出てくるはずです。

■その他伝えたいことはありますか?
時短勤務で働いている女性社員は、仕事に全力投球できずに「やりきれていない感」を感じて周囲に恐縮していると思います。一方、働き盛りの若い女性から見ると、時短勤務の女性ばかり優遇されて、自分はいつも先輩のフォローばかりさせられていると不公平感を持つことがあるかもしれない・・・。私が仕事で何とか成果を出せているのも、手伝ってくれる後輩のおかげです。ですから会社には、縁の下で頑張っている若い女性たち、後輩たちにも目を向け、男性同様に頑張っている彼女たちの努力をきちんと評価してほしいと思います。

堀川さんの、自分へのハードルが高い故の発言ですね。

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優秀だからこそ、自分に対する目標設定が高い。
堀川さんのように時間の制約がある中で高い成果を出せること、
アウトプットを出すことに対する精度が高いことは
周りの男性たちにもプレッシャーであり、良い影響を与えている。
長い時間をかけなくても仕事はできる、という実績を作ってくれている


と、最後に、堀川さんの現場での元先輩で、このインタビューに同席してくださった広報の堂森さんのコメントもいただきました。

今日はたくさんの学びをありがとうございました!
posted by Yukiko at 21:40| ★リケジョ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月11日

リケジョレポート第五弾 堀川真加さん(その1)

さて今週も、インタビューシリーズ!
私が出会った素敵なドボジョのご紹介が続きます

前田建設工業株式会社
事業戦略室 事業企画部
上席調査役 堀川真加(ほりかわ まなか)さん

堀川さま.jpg

■建設業に興味を持ったきっかけをお聞かせください。
子供の頃から、解が明快な数学・物理が好きだったんです。
高校時代、友人宅で、親御さんの仕事道具である製図道具等を見て「カッコいい」と思い、建築の道に進もうと思いました。

■大学は工学部に進み、土木工学を専攻されたのですよね?
建築に興味があったが、建築は大変 人気があり、土木工学の道に進むことになりました。 

■大学で土木の道に進んでみて、いかがでしたか?
建築よりも、スケールが大きくて、さらに景観に関わる仕事でもあり、「悪くないな」と思いました。そこから景観デザインなどに興味を持つことにつながりました。

■具体的にはどのようなことに興味を持たれたのでしょうか?
実験を始めた頃から、土木がより好きになり、構造など泥臭い方にも興味を持つようになりました。結果的に、コンクリートや土の研究をする研究室に進みました。

■卒業後、どのように進路を決めたのでしょうか?
大学時代、研究室での実験を通してますます「作る方」に興味が移り、このまま、ものを作る会社に入りたい、と思ったんです。関連する会社・団体にヒアリングした結果、
「現場を知ることが何より大切」という雰囲気を業界全体に感じました。現場を知らない女性が何か発言しても、説得力がない、と感じ、後のキャリアにプラスにするためにも、建設会社に進むことに決めました。
そして、建設会社への就職活動を進めていく中で、会社によっては「男子学生を取りたい」という会社側の【思い】を強く感じた経験もありました。

■どのような【思い】を感じられましたか?
例えば、「君の大学からは1名 採用したいと思っている」という会話をする中で、その裏にある「だからその1名は、ずっと長く働いてくれる男性が良い」というような、直接的なキーワードはなくとも様々な会話の中でそういった採用担当者の思いを感じることは、多少ありました(笑)。

そのような状況の中、「男性を取りたい」という雰囲気も感じず、女性も受け入れて活躍させたいという思いが伝わったのは前田建設工業だったんです。もともと新しくチャレンジすることを推奨する雰囲気のあった前田建設工業だからこそ、女性に対してもリベラルな姿勢だったのではないかと思います

何より、個人として公平に客観的に見てくれたと思うので、今では、採用してくれた恩を返そうという思いが大きいですね。

■みなさん、そういう思いを持たれて今もがんばっていらっしゃるのでしょうか?
同期の女性は土木1名、建築1名の2名です。会社全体で見ると、土木職の女性は18名。
私が入社した当時は4名でした。先輩に9年目の土木職の女性がいましたが、その方が、男性以上に頑張って、「女性でも土木で活躍できる」という実績を作ってくれたからこそ、新入社員の自分に対する風当りも強くなく、とても働きやすかったです。先輩たちに対しては、そんな風に女性が活躍できる土壌を開拓してくれたという感謝が大きいので、私も後輩たちのために女性が活躍できる土壌を整えていきたいと思っています。

■後輩の女性たちのために支援したいこととはたとえばどのようなことですか?
会社の中で女性同士が集まり、情報交換できることは必要です。女性の人数が少ない時期は個々人のつながりで十分な情報交換ができていました。最近は、女性の人数が増えて心強い反面、地方で働く女性も増え、顔見知りになれない女性職員もいるのが現実です。今後は、そんな皆さんともつながる体制作りをしていきたいと思っています。

■現在のお仕事とそのやりがいを教えてください
今は事業戦略室で、イノベーションにつながるような次世代の仕事の企画をしています。
今までは、発注者の意向に大きく左右されるビジネスモデル(工事を受注し売上を積み上げていく、請け負い型の仕事)が多かったのですが、将来に向けて、「脱請負事業」に取り組み、安定的な利益を生み出すモデルへの転換が必要ということで作られ、私も現在、新しいイノベーションに向け、開発・企画の段階から携わっています。現在は、再生可能エネルギー、つまり太陽光、風力発電の企画を担っています

現場の泥臭さはないが、新しいチャレンジをしている実感があり、社長 直轄の部署なので、経営に近い仕事をしているという感覚もあり、とてもやりがいを感じています。

■今所属の組織陣容を教えてください。
現在、事業戦略室23名の中で、事業企画部は8名、うち女性が5名と女性の多い職場です
とはいっても、「中身の半分は男性」タイプの女性が多いと思います(笑)皆さんサバサバしていて、大変 働きやすく、楽しい職場です。

■『今の職場ならでは』の良いところを具体的に教えてください
大きく2つあります。
@育児への理解があるところ
 担当役員も理解があるので、室課のメンバーはやむを得ない急な欠勤にも嫌な顔をする人はいません。どうしても現場では「いることが仕事」という側面がありますが、事業戦略室での仕事は結果さえ出せば、必要に応じて明日に仕事をまわしてもフォローができ、融通が利くところが助かっています。

A新しい視点を求められてつくられた室課なので「物事を広く捉える」「直感が働く」という女性ならではの特性が活かされ、なおかつ女性が多いので、意思の疎通が図りやすいです。



■現場で女性が活躍するために必要な工夫は何だと思いますか?
現在でも、若手の女性職員は男性と変わらず元気に良くやっていると思います。特に結婚までは、悩まずに進んでこられるのが実態。しかし、子供を持って、現場で働く人は今まではおらず、ビジョンを描けないのが悩みです。現場にいながらも出産後の女性が活躍するためには、現場に張り付かなくても良い業務(工務など)をうまく創っていく必要があると思います。


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先輩の実績に感謝し、後輩にバトンをつなぐ姿勢がとても美しいなと思いました。
次回はプライベートについても伺います!
お楽しみに・・・
posted by Yukiko at 10:22| ★リケジョ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月27日

リケジョレポート第四弾 村上麻優子さん その2

前回に引き続き、鹿島建設の村上麻優子さんです
今回はプライベートのこと、今後のキャリアビジョンについてお聞きしています。
村上さん.png

■村上さんが、結婚を決断したタイミング、きっかけを教えてください
夫は鹿島建設に勤める2歳年上の社員です。夫の職場ローテーションのタイミングで、結婚を決意しました。3年付き合って、25歳で結婚、現在結婚5年目になります

■パートナーが同じ会社ということで良かったなあということはありますか?
夫婦で仕事の話はよくするんです。特に「将来こうなりたい」という話を夫によくしており、夫はふんふんと聞いてくれています。
同業だから、という理由もあり、忙しいタイミングなど仕事に対して理解をしてくれることが幸せだと思います。私の方が夫に精神的にはいろいろ頼っちゃってますね。本当に。ありがたい存在です。

■共働き家庭の家事の分担を教えてください
細かく決めたりせず、できる方がやる、というスタンスです。
夫は今の仕事上、土曜日の出勤がないので、週末にご飯を作ってくれたりします。一人暮らし経験もあり、家事に対してとても協力的です。子どもが好きなので、産んだらきっと私以上に面倒も見てくれると思います

■ご主人が家事対して積極的なのは何故だと思いますか?
夫の母は働きながら、家事もこなし、育児も子どもに向き合い、しっかり育ててくれたそうです。夫はきっと子供の頃から自律を促され、今に至るのだと思います。

■なるほど。お互いに自立して、お互いに支え合う、という理想的な状態ですね
ありがとうございます

■夫婦円満でいるために、努力していること、頑張っていることは?
忙しいと家庭に目を向けられないので、週末はしっかりご飯を作る、しっかり掃除をするなど、家のことをちゃんとやろうとしています。また、現状は特にしていないのですが、共通の趣味を持つことは、今後の目標です。(村上さん:スキー部

■では、村上さんの今後のキャリアビジョンをお聞かせください
時期はこだわっていませんが、いずれは管理技術者になりたいと思っています。

出産のタイミングはずっと考えてきたことですが、最近は今まで以上に前向きに考えています。特に、今の仕事は経験がものをいう世界なので、どのタイミングで現場を離れるかは人生の大きな決断です。

■その決断をするために、ここまでいけばいいかな、と思える経験値はどうはかれますか?
線引きするのは難しいです、一概には言えないですね。明確に時期の目標を決めると、自分の首を絞めてしまうので。自由に考えようかな、という気持ちでいます。

■後輩たちへはライフイベントに関してどのようなアドバイスをしていますか?
結婚のタイミングについては、「結婚しても、生活はあまり変わらない」と伝えています。
相手の方にもよるのかもしれませんが、働き方を変えなくても、相手の理解さえあれば大丈夫だよ〜!と言っています。

■部活動(スキー部)を通じて何か仕事に影響はありましたか?
いろんな現場の方、会社の中でいろんな仕事をしている人と出会うことができるので、とてもよい機会だと思います。

■建設業で働く後輩、これから就職する学生 若い人へのメッセージをお聞かせください
高速道路など、生活の中であって当たり前のものは、造る際いろんな過程があるにも関わらず、出来上がってしまうと気付かれないことが多いです。ですが、インフラ整備は人々の生活に密着しており、それに携われる仕事のやりがいはとても大きいと思います。

■いつ、どのようにその魅力を若い世代に伝えていくべきだと思いますか?
就職活動のタイミングできちんと伝える必要があると思っています。就職活動の際に、土木に関わる仕事の選択肢としてゼネコン、官公庁、コンサルなどの大きく分けて3通りの道から選ぶことになるのですが、その進路を決断するタイミングで魅力が伝わればよいと感じます。現在、リクルーターや、インターンシップの受け入れもやっていますが、
現場見学に来る女子学生には、「絶対現場がいいです!」という子はあまりいません。
学生から「現場の仕事はどうですか?」と聞かれると、ありのままを話すようにしています。現実とその人の理想とのギャップといいますか、仕事が合いそうか合わなそうかは、事実を把握した後、本人が決めることだと思います。

■将来の仲間になるかもしれない、学生に「土木や建築の魅力を伝える役割も担っているのですね。こういった活動はお好きですか?
はい。会社説明会での紹介も、自分にとって面白い仕事の1つです。

■リクルーター活動を通じて、どんな人が今のお仕事に向いていると思いますか?
一言で表すなら「芯の強い子」です。意思がはっきりしていて、おろおろ迷っている感じのしない子。自分はこうしたい、という気持ちの強い子だと思います。

■後輩になる女性に向けて、この仕事をするにはどんな力が必要だと思いますか?
なんといっても、現場なので、まず、
・汚れることを気にしない。
・長時間拘束に対して柔軟に考えられる。
・コミュニケーション力:人と話をする、聴く、まとめていく力
・決断力:間違わないようにスピーディに判断をする力

以上四点と、現場のことについてはなんといっても経験を積むことが必要なので、それを楽しめる力が必要ですね。

■村上さんの決断力はどうやって身に付けたのですか?
もともと自分の人生については、一回決めたら変えないタイプです。仕事においては、最初の頃は、上司と相談しながら決めていましたが、細かな判断ミスをすることはあったものの、その際には素直に自分から謝って次への糧にしていました。上司の過去の決断を見て、そこから学んで決断の仕方を吸収してきたと思います。
何より、JVのようにいろんな会社の共同体で作業を進めるため、様々なシーンの決断のプロセスを上司がきちんと説明してくれます。課題があったときなども、チームで議論する場を設ける文化があります。そのため、仕事でトラブルが起こった際は、原因と対策もきちんとみんなで話をし、ストーリーを作るといった対応をするので、自然と正しく決断する力を身に付けることに繋がっていると思います。

■鹿島建設の社員として、村上さん自身が その他に伝えたいことはありますか?
土木の仕事は必ず人の役に立つ仕事であり、且つ女性の特性であるコミュニケーション力も活用でき、周囲と協力しあって進める仕事なので、女性も大変やりがいが持てます。
だから、学生さんで、興味や、やりたい気持ちがある人は、周りの人たちの理解、協力を得て、ぜひこの環境に飛び込んでほしいと思います!

迎える会社としては、入ってきた人たちに対して、差別なく接していくことが必要だと思うので。今後もそのような会社であることをきちんと発信していきたいと思います。


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「現場大好き!」と仕事にやりがいが持てるのは、【土木の仕事は必ず人の役に立つ仕事】
というゆるぎない芯が村上さんの中にあるからなんだなあとインタビューしていてすごく
伝わりました。インタビューの時間、とっても元気になるパワーをいただきました
posted by Yukiko at 08:51| ★リケジョ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月20日

リケジョレポート第四弾 村上麻優子さん その1

好評、インタビューシリーズ!
引き続き、私が出会った素敵なドボジョのご紹介です。

鹿島建設株式会社
東京土木支店
村上麻優子(むらかみ まゆこ)さん 
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■早速ですが、なぜ建設業で仕事をすることに興味を持たれたのでしょうか?
もともと建物などが好きで、地元の横浜でみなとみらいを見て、
いつかはこういうもの・景色を作りたいな、と思っていました。
高校生の時に、進路を悩んでいた際、建築・土木の道に進もうと決断し、大学では土木の道に進みました。

■土木を学んだあと、なぜ鹿島建設に入社したのですか?
大学時代に建設会社のインターンシップに2週間参加し、実際の現場でどうやって工事が行われているか、仕事が回っているのかを垣間見ることができました。
そこで、1つのことを行うのに対して、綿密に計画し、みんなで作りあげるプロセスを間近で見て、「これだ」と思ったのです。

■今現在のお仕事と“やりがい”をお聞かせ下さい。
入社後は研究所に配属されましたが、現場で仕事をしたいという思いがあり、ずっと現場への異動希望を出していました。
念願かなって2011年10月に現場配属となり、道路やトンネルを作る仕事に従事しています。
構造物は完成しましたので、現在の主な仕事は掘削した場所を埋戻し、設置した仮設物を撤去しています。
細部まで気を配りながら、計画を立て調整をしていきます。
特に、やりがいを感じるのは、忙しく厳しい週を乗り越えられた時です。

任される仕事の量や内容など、男女の差を感じることはほとんどありません
工程内の裁量は任されているので、自分で考えてやりくりしながら協力会社への依頼・調整をし、うまくいった時がとても楽しいです。

また、実際に工事に関わった道路ができたときのよろこびはひとしおで、できあがった後に、その道を通ると「私が作ったの!」とつい自慢してしまいます。

あまり目立たず、理解されない部分の多い仕事ですが、ただ、絶対に人の役に立っているという確信が持てる仕事なのでその部分での“やりがい”は大きいです。


■村上さんが持つリーダーシップ、調整能力はどうやって身に付けたのですか?
実践を重ねていく中で、そういう力が身に付いたのかもしれないです。常に目的をぶらさず、考えを持って仕事をすることが大事だと感じています。

■女性が意見を通すことに、壁を感じるようなことはありませんでしたか?
入社当初は、少し男女差を感じる経験もありましたが、現場に来てからは男女差を感じることは無く、比較的フラットに接してくれる協力会社の方が多いです。うまくやっていく秘訣としては、自分がしっかり意見を持って、真剣に接すること。そうすることで、周りも理解し、協力してくれるようになると思います。

私も最初からできていたわけではありませんが自分が意見を持ってきちんと伝え、ことを進めることが出来れば、男女の差別なく対等に仕事ができると経験を通して感じています。

もちろん言われたままにやることも大事ですが、違うと思ったところは、意見をきちんとぶつける努力が必要です。自分の意見を確立させるために、常に考えることが大事だと思います。

■土木の現場は世の中的には、男性社会というイメージが強いと思いますが、実際はフラットなんでしょうか?これから就職する女性の皆さんが建設業への敷居の高さを払拭するとしたらどんなことが挙げられますか?
鹿島建設に関していえば、もともと社員の人数も多いので、割合は少ないとはいえ、ある程度の人数の女性社員がいるんです。
特に最近は総合職の女性の後輩も増えており、私の所属する支店の中で女子会をやるようになりました。「どの日焼け止めがよい」とか、女性ならではの情報交換もできています。
地方の支店だと女性の人数が少ない場合もありますが、本社で研修などがあるタイミングで集まることも多く、繋がりができるため、安心できると思います。

ただ、男女問わず大変な仕事であることは確かなので、どれだけこの仕事を好きかどうかが鍵になります。でも、この仕事が好きであれば、とても楽しめる仕事であることは間違いないです!

■そんな土木の世界に飛び込んだ村上さんへの周りの方からの反応は?
夜勤明けで会うこともあったため、学生時代の友人たちからは「大変だね〜」とは言われたことはあります。・・・が、業種は違っても、割と友人も仕事バリバリに働いている人が多いので、お互い「頑張っているね!」と刺激しあえているという感じです

■現在の仕事で、女性だからこそ活かせた特性はありますか?
現場の仕事で最も大切なのはコミュニケーション。協力会社、工事の施主、常にみんなとコミュニケーションしながら進めていくのが土木現場の特徴であり面白さです。ここは、特に女性ならではのコミュニケーション力が活かせていると思います。それを活かし、人と話をする、聴くことで、まとめていく力を発揮することができていると思います。

また職場に女性がいることで、和やかな環境になる傾向があるし、女性が情報のハブになることができていると思います。

■若手の女性社員がより建設業の仕事に定着するために、職場はどのように変わるとよいと思いますか?
女子会などで後輩からよく聞かれるのは、結婚のタイミング、きっかけなど女性ならではの内容が多いです。こういう話が気軽にできる、相談できる環境があるとより良いと思っています。

■村上さんより先輩の女性はどんな方々がいらっしゃいますか?
土木系で一番上の女性の先輩は50代の第一期総合職の方々です。その後、鹿島建設は女性総合職の採用を一時中断した時期があります。よってその間の世代で現在いる方達は、一般職から総合職へ転向し、設計部門などで活躍をしている方が多いです。

1999年から、女性総合職の新卒採用が再開していきました。土木系で言えば、最初の頃は毎年1名、私の代で2名に増え、その後 徐々に女性の採用数も増えてきています。

■今後も鹿島建設で働き続けていくにあたり、何か障害があるとしたら何だと思いますか?
子育てしながら現場で仕事を続け、キャリアを積みたいと思っているのですが、それを許してもらえる現場かどうかは環境次第というところでしょうか。また周囲の理解を得ること、自分がいかに効率よく時間を使うかも大切だと思っています。きっと、人数の多い現場の方が、負荷を分担できるので、子育てと仕事の両立はしやすいと思います。…が、実績はまだないので、これから様子を見たいと思っているところです。一言で言えば、会社の制度的にはすでに整っているので、あとは運用次第と感じています。

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今回も、働く女性にとって非常に大切なキーワードが沢山のインタビューでした。
とても、仕事が大好きである村上さん。インタビュー時にも、仕事の話をするときの彼女の笑顔は
本当に輝いていました。そんな仕事大好き村上さんのプライベートの話は次回のお楽しみです
posted by Yukiko at 11:40| ★リケジョ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月11日

リケジョレポート第三弾 龍 尊子さん その2

前回に引き続き 大成建設 龍 尊子さんのインタビューです
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■では、子育てをしながら働く環境についてお聞かせください。
会社の制度は完璧…とは、いいすぎかもしれませんが(笑)豊富なメニューが整っていると思います。
ただ、難しいのは運用面だと感じます。子供が熱を出して、帰らざるを得なくなった場合は、
ご多分に漏れず、その仕事を誰かが引き継がねばなりません。
個々人が余裕がない中で、チームでカバーするしかない。

私自身は、子育ての忙しい頃は、上司やチームのメンバーに恵まれていました。
さらに、仕事自体も自分で管理できる内容であり、
会議なども早めであればある程度コントロールできました。
しかし、現場や大きな組織やプロジェクトの一員として働く場合は、
自分自身で仕事の内容やスケジュールをコントロールすることも難しいので、大変だと思います。

ですので、助けてくれる人とは、密にコミュニケーションを取る、
自分の仕事を見えるようにしておくボールを抱えすぎない努力、が必要です。
また、上司からメンバーに一言言ってもらうことも必要と感じています。
本人も仕事を残して帰るのはストレスになる場合がありますので、
ストレスにならないよう上司が一言メンバーに声掛けをしてくれることは
大きな支援になります。

■周囲にいる子育て中のお母さん社員に対するアドバイスをいただけますか?
「早め早めに情報を出しておく」ことで、周囲を困らせない状況をつくっておくことです。また感謝の気持ちを、ちゃんと伝えることが大切だと思います。

■長く建設業界で働く、活躍する秘訣は?
自ら積極的に情報開示すること」
 「感謝を伝えること」
 「社外にもチャネルを作り、先輩の話を聴く」

…の3つでしょうか。

管理職として更に活躍するためには、自分にしかない強みを持つことが必要と感じています。
強みは人によって様々ですが、男性社員にも「あの人はすごいよ」と
思われる、誰もが認めるようなことを持つことが大切です。

―なるほど。他者に認めてもらえる強みをもつということは、客観的視点で自分の強みを認識し、伸ばすことが大切ですね。


■では、ここで、プライベートにも踏み込ませていただきます。
 ズバリ、ご主人はどんな方ですか?

大成建設で建築の設計の仕事をしています。出会いは、会社のスキー部です。
主人の父はいわゆる転勤族、母は専業主婦、といった「昭和の高度経済成長を支えた典型」のような家族です。
一方、私は母が教師をしていたため、『鍵っ子』として育ちました。
そのため、「帰った時には電気がついていてほしい」という結婚当初の主人の発言には少し驚きました。
そうですね、結婚する際、私が主人に伝えたことは「1つ」
土木の仕事は続けたいので、もし夫が転勤することになった場合は、
転勤先で私の仕事を見つけることに協力してほしい、ということ。

建設業に従事すると転勤も多いため、離ればなれで暮らす夫婦もいらっしゃいますが、
幸い、共にずっと首都圏での転勤だったので、これまでは離れて住むことなく、ずっと一緒に暮らしています。

同じ建設業、同じ会社で働くこともあり、忙しい時への理解はあり、不満も言われませんでした
夫は学生時代に山岳部に所属していたため、食事が作れるのですが、そのことには結婚後に気付きました。
今でも料理の腕は私より上で、時々食事も娘のお弁当も作ってくれます

家庭内で仕事の話はあまりしません。同業の夫でよかったと思うのは、お互いの仕事の流れ、組織のことが分かり、辛い時期が理解し合えるのではないか、という点です。

ただ、社内ですとお互いの知り合いも多いため、食堂などで気が抜けないのも事実です(笑)

■お子さんを妊娠・出産した時のことについて教えてください。
私は入社5年目に結婚、9年目に出産し、
今は中学1年生の女の子が一人います。
特にキャリア・ライフプランを計画的に考えたわけではなく、
自然と授かったことは嬉しいことでした。
しかし、事情があり妊娠期間は約半年間、入院生活を送りました。
そんな私に対して、当時の上司や部署のメンバーは「安静にしてね、待ってるよ」と常に温かく声をかけてくれ、今でも心から感謝しています。
ですので、復帰して会社に貢献したい、と自然と思うようになり、
復帰後に、設計から営業に異動が決まった際も、新たな気持ちで臨むことができました。

■ご主人の子育てや家事の関わり方についてお聞かせください。
食事を作ってくれたり、お弁当を作ってくれたり、非常に協力してくれています。
娘も主人の作った食事が大好きです。

娘が小さい頃は、送り迎えは全て私がしていました。
特に小さいころはどうしても、母親に比べ父親との距離が遠くなってしまうもの。
そこで、娘の様子をメールで毎日主人に送っていました。
それによって主人も娘を近くに感じられていたかもしれません。
娘が言葉を発するようになってからは、主人との距離もぐっと縮まりました。

今では、主人と私の共通の趣味であるスキーに家族3人で楽しむのが何よりの幸せです。

■では、またお仕事の方に質問を戻させていただきます。総合職に登用された経緯をお聞かせください。
専任職でも、やりたいことはやらせてもらえますが、総合職で肩書をもって社外に出ると仕事の幅がまったく異なるだろうと思いました。

出られる会議も違う、入ってくる情報も違うのです。

そこで、総合職へのチャレンジを決めました。
特に営業では、社内、社外に対して組織の持つ力を引き出して出す成果は、
総合職登用以前より、遥かに大きいと痛感しています。
総合職に登用されてからは、社内・社外からの見られ方が変わったと感じています。

より仕事がしやすくなり、成果が出しやすくなりました
果たすべき責任も大きくなり、苦労することもありますが、プロジェクトが上手くいったときには、働き甲斐を感じます

■今後はどのようなお仕事に挑戦したいですか?
子供の頃 土木の世界に興味を持ったきっかけである橋に携わっていきたいです。
老朽化した橋をどうしていくか、メンテナンスも含めて営業の立場として携わっていきたいと考えています。
点検を効率的に行う、補修しづらいところをどうするか、などの課題に取り組み、インフラが健全な状態で使われるような仕組みを作りたいと思います。

女性の技術者の視点が加わることで、維持管理を、より効率的にしていけると感じています。

また「土木の魅力」を情報発信することも今後より積極的に行いたいです。
私たちのつくったインフラがどう社会の役に立つのかをしっかり発信していきたいですし、それが将来的にはいわゆる「ドボジョ」を増やすことや、土木の将来を担う人の育成にもつながります。これから仕事を選ぶ世代にもっと土木を理解をしてほしい
これらが、今後、挑戦したいことです。

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「土木技術者女性の会で参加した女子中高生夏の学校2013」

■現在 土木で働いている女性へのメッセージをお願いします
「会社で長く働き続けてほしい」ということです。
応援してくれる人は必ず周りに沢山いるので、一人で悩まずに、いろんな方とコミュニケーションをとって情報共有していくことで、先にいろいろなものが見えてきます。
そのためにも、社内・社外の女性のネット―ワークを活用してください。

私たち大成建設では非公式の女性ネットワークがいくつかあります。
1つは、土木の女性新入社員を集めての歓迎会です。
2008年から開催していますが、2年目以上の女性社員も首都圏から集まり、ネットワークができ始めています。
もう1つはママランチです。
建築の設計の方が最初に声をかけ、20名程度 数か月に1回程度の頻度でスタートしましたが、
現在は複数の職種、70名程度の規模になっています。
話題は多岐に渡り、例えば「PTAの役員は、いつ頃、どのような仕事を務めるとよいのか」などの情報交換もしています。
また、この会をきっかけに、人事部に働きかけをして、英会話教室の昼休み開催が実現されました。
行動力もある素晴らしい皆さんで良い刺激を受けています。

■では、土木に限らず、建設業で働く皆さんへのメッセージもお願いします。
建設業界は女性の進出が遅れていると言われていましたが、今は環境や制度面では、それほど遅れてはいないと思います。
ですが、まだまだ女性は少ないと感じています。
女性が長く働くようになる為には、今後は「男性の働き方も多様化」するような動きも必要です。
建設業界自体の魅力を高め、将来、インフラ整備を担う男性の皆さんにとっても魅力的にな業界になるよう男性の働き方の多様化を認めていけるようになるべきです。

男性の育休など制度は整いつつありますが、運用面でいうとまだ難しい、というのが現状です。
男性側の意識も含めて変えていきたいです。

特に介護も視野に入れると、女性だけが介護休暇を取得するのではなく
男性も介護休暇を取得しやすくおくことは必須です。

せっかくの人材を大切にしていくためにもあらゆる制約のある方をフォローする考え方が必要だと感じています。

―まだまだ女性が少ないので女性を増やす!という活動と共に、
   今のマジョリティである男性の働き方の多様性も認める環境づくりが
   必要だということですね。 龍さん、ありがとうございました。

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龍さんのお話しを聴いて、本当にキャリアとは、外的なことだけでなく
自分自身の生き方といった内的なことも幾重にも絡み合い重なりあって
人ぞれぞれ輝くストーリーがあるなあということを実感しました。
 
しばらく、ドボジョシリーズが続きます!皆様お楽しみに
posted by Yukiko at 11:46| ★リケジョ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月06日

リケジョレポート第三弾 龍 尊子さん その1

お待たせしました。
今回からしばらくは、リケジョの中でもドボジョみなさんのご紹介をお届けしていきます。
ドボジョとは、土木業界で働く女性のことです。

大成建設株式会社
土木営業本部 営業部 課長
龍 尊子(りょう たかこ)さん
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ご経歴
1993年 担当職として大成建設に入社。土木本部設計部で橋梁設計に従事
1997年 結婚
2000年 成和コンサルタント(株)出向
2001年 出産
2002年 土木営業本部へ職場復帰。復帰後に、専任職へ登用
2007年 秘書部 社団法人日本土木工業協会の会長秘書業務に従事
2008年 土木営業本部 企画営業・一般営業に従事
その後、総合職への登用任用を経て、課長へ登用、現在に至る。


■まず、建築業界への就職を選んだ理由をお聞かせください。
子どもの頃、父は農業土木に従事していたので、どこかへ何か、出かけるとなると、ダムや用水路や堰をによく連れて行ってくれました。見せてくれていたので、自然と興味を持ち、自分も人々の生活のインフラを整備する仕事で、社会の役に立ちたいと思うようになっていき、将来について考えるときに、どこかのスターや偉人の話を聴いたり、本で読んだりして、「そういう人になりたい」と「ヒト」に憧れを持つより「社会や人の役に立つ」といった「コト」に興味を持っていました。

中学・高校時代に、科学雑誌「Newton」に出ていた「宇宙ホテル」「地下都市」「富士山より高いビル」など夢のあるものに魅かれたことも影響しています。

いつしか「カタチになるものが作りたい」という気持ちを持ち、目の前でモノづくりが見られる建設業界に興味を抱くようになりました。

「理系で手に職をつけるべき」という両親の言葉や、ちょうど進路を決める時期に、首都圏で大規模な開発が行われていたこともあり、建設業界への就職を決めました。

■なぜ、大成建設に入社しようと思ったのですか?
大成建設は、自由な雰囲気のイメージがあったのと、大成建設のキャッチフレーズである「地図に残る仕事」に魅かれたことが大きな理由です。
私も地図に残る仕事をしたい、大きなプロジェクトの端っこでもいいから携わってみたいと思いました。

また、人の育成に対して積極的な方が多いのも大成建設の良さです。
女性社員に対して、せっかく勤めるだから、長く働けると良いよね、と思ってくれる人が多いと感じています。

■現在はどのようなお仕事をされているのですか?
営業で公共工事の入札対応を担当しています。お客様を訪問し、社会資本整備の動向を調査することで情報収集を行い、社内方針を策定して、プロジェクトの推進に向けた営業活動を行っています。

女性だから、という理由で差別されることは一切なく公共工事だからこそ女性でも堂々と仕事ができます。また、これまでの設計部門での経験歴を活かして、営業部にいながらにして技術屋としても生きることができています。
しかし、常に技術の研鑽を欠かさないように努めています。設計の頃はもちろん、育休明けで営業に来てからも、資格取得にチャレンジしてきました。
現在はコンクリート主任技士、コンクリ―ト診断士、技術士(建設部門)の3つの資格を取得しています。
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■建設業、そして大成建設で長くキャリア歩んでいる秘訣は?
土木技術者女性の会の先輩方のおかげです。
土木業界ではロールモデルも限られており、私の場合は社内でロールモデルを見つけることも難しい時代でした。

そんな時に土木技術者女性の会で出会ったIさんに入社1年目からお話を伺う機会があり、それ以降も沢山のアドバイスを頂戴しました。特に「技術士を早く取りなさい」というアドバイスは心に残り、実際に資格を取得するに至りました。

土木技術者女性の会の先輩方から言われていたのは「とにかく仕事を続けなさい」ということ。ライフプランも含め、あまり先のことを今から考えても仕方ないので、とにかく仕事を真摯に続けたからこそ今があります

Iさんのように、本業の仕事以外の社外活動として土木技術者女性の会を積極的に盛り上げてくださった方がいらして心から感謝しています。
コミュニティ活動は大変重要で、先輩方や同じ出産・子育ての悩みを持つ皆さんのお話を聞いて、参考になりました。
現状、まだまだ数が少ない土木業界で働く女性が、後進や人の役に立つための「ネットワーキング」を継続することによって、土木業界にこれから沢山の女性に入ってきてほしいという思いからだと感じています。

私自身は、子育てなどで忙しくて、活動に参加できない時期もありましたが、事務局として復帰することになった際、温かく迎えてもらいました。
今は会の活動として学生など若い人と話をすることも多いのですが、それを通じて改めて自分が建設業に従事する理由を確認することにもつながり、自分にとっても意義のある活動になっています。

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龍さんや他のドボジョの皆様にお話を伺っていると、
建設業界、土木業界には、たしかに女性が少ないけれど
真摯に仕事に向き合っていれば、周りは応援してくれる風土もあるのでは?

と感じております。

土木業界に限らず、女性が組織で、普通に定年まで働くってどんなこと?
をイメージするために、たくさんヒントとなるキーワードをいただきました

次回は「子育てとの両立」について等も
お伝えしていきますのでお楽しみに!
posted by Yukiko at 12:07| ★リケジョ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月30日

リケジョレポート 第二弾 杉原由美子さん(仮名)その2

ではでは、その1に引き続き、その2をスタートです♪

■杉原さんは今後どのようなキャリア&ライフビジョンがありますか?
目標は研究職として働き続けること
 

杉原さんの身近に目標とする先輩はいらっしゃいますか?と聴くと
製品開発をしていて、子供も2人いて、社内での製品発表でも受賞している
10歳くらい年上の先輩がいるとのこと。
社内コンペは男女関係なく機会があるとのことで、切磋琢磨しあう環境が
あることでモチベーションは維持できるのかと思いました。

ただ、ずっと研究職でと思っているけれど
2歳の子どもがいる女性の方で、今はサポート的な仕事をしてる方もいる。
同じ仕事を同じスタイルでずっとやっていくのは難しいかもしれないが
それは、期間限定で、長いキャリアの中では仕事の内容が変わる
スタイルもアリだと思っているとのこと。
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■今後も働き続けるために今意識していることは?
同僚とのコミュニケーション

やはり、プライベートのことなどは、あらたまって時間を取って話すよりも
雑談の中でなんとなく話していく中で理解が深まるということです。 ■ご主人はどんな方ですか?
学生時代の友人がご主人の職場の同僚で、紹介によるご縁

家事も協力してくれているとのことで、「できる方がやる」というスタンス
夫か妻かどちらかに偏りが出ているわけでもなくバランスもとれているとのこと。
ただ、最初からそのようにバッチリなバランスだったというわけではなく、
結婚当初、ご主人が家事をしてくれていることに対して
「当たり前」となっていたことに気づき、してもらったことにきちんと
「感謝の気持ち」を伝えるようになったところ、家庭の空気が
居心地の良いものになったとのこと。

ご主人は、杉原さんに対して「働き続けてほしい」と思っているそうで
なぜ、そう思うかというと、ご主人にはお姉さんが2人いて、
小さなころから「これからの時代は男性も家事ができる必要がある」
と言われていたらしい

■結婚してライフスタイルで変わったことは?
相手がいるので、すべて自分の思った通りにできるわけではないが
 家事自体は半分半分になったので、ラクになった
 手段などで、どうしても嫌な時は、コミュニケーションをとって
 お互いに伝えるようにしている。基本、二人とも争うごとが好きではないので、
 平和的に解決しようと思っているスタンスが居心地がよいそうです。

 ■結婚後に自分が変わったことは?
・趣味のベリーダンスの時間が減った
   ・ご主人に時間を合わせるようになった

ご主人は「ベリーダンスに行っていいよ」とは言ってくれるが、杉原さんが
お休みの時は二人の時間を大切にしたいと思っているとのこと。
ご主人も飲み会を減らして、お互いの時間を取るようにしているという
ラブラブ夫婦です 

■趣味のベリーダンスについて聞かせてください!

入社してすぐの夏に始めた。理由は、長く続けられそうということと
   他の人があまりやっていないダンスだったから

ご主人は、発表会とかに来てくれたあとは結構ダンスに対して
厳しい意見を言ってくださるそういわゆる、ダメ出しですね。
ベリーダンスは、ご主人の会社の人でもやっている人がいて、
お互いのネットワークにも良い影響を与えている。
どのように、趣味の時間を確保するかについては、
優先順位をちゃんとつけることが大事とのことで

「今は家庭を第一、空いた時間でダンスです!」

物腰はとってもやわらかい杉原さんですが、自分の大切なものがしっかり
明確で、自分の中の軸がブレない強さは持ってるなあと思いました。

その、自分の中の大切なものを何かに流されて犠牲にしない力は
どうやってついたの?という問いには
「とても仲の良い実姉の影響かな?」とのことでした。、
お姉さまにいろんな相談をすると、解決を与えてくれるというよりは
ちゃんと「自分で考えるように」というアプローチを受けてきた。
「それにより人に流されることがなくなった」、、、と。

「今、自分にとって何が大切なのか」を
常に自分で判断できるチカラを持つ人は幸せである。

インタビューを通じて感じたことはこの一言に尽きます。
これって、自分とちゃんと対話できているか否かで変わる。
難しいことではなく、誰もが手に入れられるチカラ、なんですよね。
posted by Yukiko at 10:27| ★リケジョ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月29日

リケジョレポート 第二弾 杉原由美子さん(仮名)その1

あっという間に2014年が始まってから1ヶ月が経とうとしております。
は、早い。
 
さて、お待たせしました。
リケジョレポート、第二弾です。

今日は杉原由美子さん(仮名)。
お仕事は、食品会社での基礎研究です。

またもや、食品の基礎研究って??な私にわかりやすくご説明いただきましたが
「健康に良い成分を見つけて、それをどういう食品にするかを考えるお仕事」だそう。
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※杉原さんは写真NGなので、こちらはイメージ。ご本人ではありません。

■理系の道に進んだ理由は?
 好きな科目が理科、生物、数学だったから♪

もともと、お父様が生物好きでその影響が大きいとのこと。
数学も「得意」だったことから、高校では理科系を選択
大学は農工系へ。理系とくれば、ひとくくりで男性の園?と思いがちですが、
杉原さんが進んだ農学部は男女比が半々。同じ農工系でも、工学部は女性少ないそうです。
 

■大学時代は何に力を入れましたか?
応用生物化学は、座学と実験の日々でした。

 期間限定の実習はイベント的に楽しかったそうです。

■卒業後の進路はどのように考えていましたか?
大学4年になってから、考え始めた。
 「食べ物」そして「食べること」が好きだったので、 食品会社で働きたいなと思いました。

就職は何社も受けて、しかし、希望通りの会社に入社できたとのこと。
大学のゼミの1つ上の先輩が会社を知るきっかけを創ってくれたということで
やはり、持つべきものはゼミの先輩って企業にとっても、大きい存在ですね。
 
■日々の業務はどんなことを?
営業担当から、お客様のニーズやリクエストをもらい
   配合→試作→評価 を繰り返す

「もっと口どけを良くして」「もう少ししっかりとした味で」
など、お客様のニーズやリクエストは、けっこう漠としたものが多いとのこと。
だからこそ、イメージして配合して、試作して・・・の繰り返しなんですね。
見えないものを形にする。五感フル回転のお仕事です。
ここのチーム構成も男女半々だそう。理想的!
 

■今の職場、会社の働きやすさはどうですか?
女性として働きやすいと思う。

杉原さんの研究所は男性上司にも女性の先輩へも
相談しやすい風土、環境なので入社してから今まで
働きにくいと感じたことはなそうです。
 
■出産して戻ってきている人はどのような働き方をしている?
産休前と同様のチームで復職している。
 

やはり、チームによっては 
「研究員が一人時短になることで、周りに仕事のしわ寄せがくる」
という声も聞こえてこないわけではないそうです。
しかし、風土的には会社は、一人一人多様なライフイベントは「あるもの」だと認識
不満を言われないようにするには、当事者が頑張ることで回避できると思う。
具体的には、他の人に、担当が増えたなど仕事をしてもらう状況に
仕方ないじゃないと開き直るのではなく、感謝の言葉をかけてフォローしたりなど、
コミュニケーション面の工夫で変わる。
風土はOK 個人のコミュニケーション能力は問われるところ、、とのことデシタ。
 
---------------------------------------------
ふむふむ。
やはり、学生時代に、その時に意識せずとも、
何を学んだか、何を経験したか、誰と出会ったか、誰と過ごしたか、
・・・が社会に出てからの、その人のベースの一層になってるなあ〜と感じました。

次回は、杉原さんの今後の目標と、プライベートについて、お届けいたします!

posted by Yukiko at 16:45| ★リケジョ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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